おさかなとおそばと野球@福井(2009.5)


連休も後半戦に入った5月4日になったところでようやく遠出。目的地は福井。片道ガソリン満タン四千円弱+高速道路千円!、二人で往復して交通費壱万円でお釣りが来るとは!

4日は福井まで行っただけ。夜は海辺の民宿で魚を食べまくり。お刺身、焼き魚、エビフライ、海苔の吸い物などを堪能、腹一杯で食った後は即就寝。

5日はそれなりに観光らしきものをした後、福井市内のお蕎麦屋さんで5時前に夕食。福井の英雄である元小結大徹の湊川親方のサイン色紙が飾られている『つるき』という店で、おろしそばとソースカツ丼という福井の名物が一緒に食べられるという『越前』セットを注文。そばはコシがあっておいしかったし、ソースカツ丼も予想外にイケた。しかしながら、うどんかそばかと聞かれたらうどん(関西風)だし、ソースカツ丼よりは一般的なカツ丼を選んでしまうのだろうな。


さて、こんなに早く夕食を食べた理由は、六時半からBCリーグの試合が開催されるからである。 福井県ではまだ野球を見たことがなかったのでこれで1つ未踏の地が減った!

NPBの一軍の試合も開催される福井県営球場での福井ミラクルエレファンツ対富山サンダーバーズの一戦。福井は群馬と同じく二年目のチームで、元広島の天野浩一監督、元阪神の野田征稔、元楽天の木村考壱朗の両氏がコーチである。富山は昨年と同じく鈴木康友監督、横田、小牧の両コーチである。

連休真っ只中ではあるが、スタンドの観客は予想外に入っている。蕎麦屋で見た福井新聞でもスポーツ面の半分を割いて昨日の試合の内容を伝えていたりするなど、BCリーグは各チームとも地元新聞で取り上げられており、その宣伝効果も少なくはない印象。他リーグの特に都市型チームはこの点はかなりのハンデであり課題なのではないか?

ホームの福井の応援はバークレオとか田尾の応援歌とかミラパルコの曲などがトランペット演奏され、昔の西武そのものである。またチャンステーマ等もNPB球団のものが用いられており、多分どこかの応援団にいた人が仕切っているのでは?と思われ、それなりにまとまった応援が展開されている。

さて福井の先発はエース格の藤井宏海。かつてロッテにおり、投手と野手の両方やっていた、背番号64の藤井である。今年から地元である福井球団に入り、投手一本で頑張っている。

その藤井と富山先発の生出は、メチャメチャ悪いわけではないのだが、なぜか先頭打者を良く出塁させてしまい、ランナーを出すと牽制を多投するわ、間合いは長いわで、点が入らない割には時間がやたらかかるという展開に。

更に福井球団のイニング合間のイベントの仕切りの不味さがそれに輪をかける。五回裏後はグラウンド整備の間イベントが行われるのだが、整備が終わってもイベントがグダグタと続けられ、それが終わったらサインボール投げ込み。イベントそのものを否定するわけではないが、おかげでやや冷え込んだ気候の中でイベント終了を待っていた藤井の六回表のピッチングが荒れ模様でかなり気の毒であった。このあたりは他球団も見ながら改善していって欲しいところだ。

そして試合がやっと終盤戦になり、福井の打者に頭部に死球が当たった。変化球のすっぽぬけであり危険球とは判断されなかったが、次打者の時に信じられない応援コールが福井側応援席より聞こえてきた。

「ピッチャー狙え!○○!」

いくら何でもそんなコールをリーダーが仕切ってファンに言わせるのは如何なものか?とちょっとブチ切れてしまい、バックネット裏から福井応援団方向に怒鳴ってしまいましたよ。
それなりの盛り上がりはあるが、本質的なところは客を呼ぶ方も客の方ももう少し時間がかかるかな、と感じた次第。

とまあ、余計なところで個人的に盛り上がってしまったが、試合のほうは2対2というロースコアなのに三時間半もかかってようやく九回裏に到達。先程の死球の影響で指名打者を外したため、投手の藤井が打順に入っており、しかも九回裏は三人目が藤井になるため、我々だけ俄然緊張感が高まる。

果たして、二番目の打者が打席に向かうと、ネクストバッターズサークルにはヘルメットを被った藤井が登場、気迫のこもった素振りを繰り返す。二軍ではあるが、NPBで打者としても出場した男。福井球団のベンチに残っている誰よりも、期待の持てる打者のはずだ。

その二番目の打者がワンアウトから二塁打を放ち出塁、ここで藤井がどんな打撃をするのか、あるいは富山が藤井にどんな作戦を採るのか、大変興味深いシーンを妄想し、更に心はワクワクするのであった。

しかし、天野監督は藤井に代打を出しやがった(笑)。残念。結局試合は引き分けで終了。


試合後は藤井投手にロッテ時代のカードにサインをいただく。打者のカード(笑)。
そこでせっかくなので藤井投手に、「最後の場面は打席に立つつもりでしたか?」と聞いてみた。 彼の答えは

「打つつもりでした!」

色々あってダラダラした試合ではあったが、藤井の最後の一言があまりにもキッパリとしていたので、私はかなり爽やかな気分になって球場を後にしたのであった。

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