韓国野球観戦ツアー(2008.7.10)




今年も日本以外の野球を観察する機会がやってきた!今年は、サッカーW杯半月前に競馬の韓国ダービーを見に行って以来自身6年ぶりとなる韓国である。

韓国野球は、最近人気沸騰気味なのだそうだが、そんな中私的に注目は本年誕生したネーミングライツ球団である「ウリ・ヒーローズ」である。この球団、日本のイーグルスにそっくりなユニフォームということでまずツボに入ったのだが、4番打者がブランボー(元オリ)であったり、最近では高津が抑えの切り札として加入したりという話題(ネタともいうが)も豊富だ。

というわけで飛行機でソウル入りしてホテルで休む間もなくウリの本拠地、モクトン野球場に向かう。モクトン野球場は、泊っているソウル市中心部のホテルの最寄り駅からは地下鉄で一本、30分程度で行ける。元々はアマチュアとか、芸能人野球大会(意味不明)での使用が多かったそうだが、今年ウリが本拠地とすることとなったので、プロでの興行に耐えられるように突貫で整備をしたらしい。

なので、ボロボロかと思っていたのだが、座席はきたないがコンクリート打ちつけではないし、売店も数は少ないがあるし、スコアボードは電光だし、人工芝もきれい。その辺の整備度合がまさに東北楽天の最初を思わせるが、プロ野球を開催するという点では最低限のレベルにはあると感じた。また、グッズもユニフォームや帽子、シールなど必要最小限のものは売られていた。新球団でかつ今後の存在も怪しい球団のグッズであるので全部欲しいといえば欲しかったが、ユニフォームを買っても着る機会がないし、帽子は群馬球団のものを当面使おうと思っているし、Tシャツは子ども用しかなかったので、4枚2000ウォンのシールだけを購入する。

ここの球場ではウリは三塁側。相手の釜山ロッテジャイアンツは韓国1の人気チームということもあり、断然一塁側の方が入りがいい。そのロッテファンは、新聞紙を切って(張って?)ポンポン代わりとしたようなものや、オレンジ色のゴミ袋を持って大声援を送っている。一方ウリは、応援団長らしきお兄さんと、チアのお姉さん2人(ロッテは4人)と、ロッテ側の10分の1くらいしかいないファンでの応援。あとはかなり怪しげなマスコットが場を盛り上げている。

試合は、2回表に1点を取ったロッテがそれを守りきっての勝利であった。

さて注目のブランボー選手。元々オリックスに入る前も韓国野球で活躍し、オリックス退団後は昨年から再度韓国球界へ戻り、かなりの活躍をしているようである。ちなみに韓国では、ブルンバと発音するらしい。今日は4番DHでの出場。6回裏の3打席目にヒットを放ったが、ウリは勝負に行ったのか、ここで代走を出されてしまう。試合としては実はこれがキーポイントとなり、次の打者にもヒットが出たが、代走が3塁を欲張ってタッチアウト。ブランボーのままだったら、2塁ストップでチャンスが広がったのにと思われたが仕方がない。また9回裏に1点差のまま、この代走に打順が回ってきてしまったのも痛かった。ブランボーのままだったら、同点ホームラン間違いなし?と思われたが仕方がない。

また、高津は負け試合であったため、ブルペンでも1球も投げず、外野でボォーッと試合を眺めておりました。

一方ロッテジャイアンツの5番打者は、カリーム・ガルシア選手。ブランボーとともにオリックスを支えた左右の大砲が両チームの主砲を務めているというのは、オリックス贔屓としては感慨深いものがあるだろう。ロッテの熱狂的なファンからは、『ハレルヤ』の節に合わせて『ガールシア!ガールシア』と、オリ時代にもあまりなかったような大大大声援を受けていたのだが、打つほうはともかく今日の見せ場は守備。ライト前へのあたりをファーストへ矢のような送球で打者を刺しアウト。いわゆるライトゴロである。日本にいたころもしばしば見せていた強肩は健在で、うれしくなってしまった。

韓国に来る前には、ウリがKBOへの加入費を払っていないだとかというような話が伝わり、下手をすれば今日は観戦できないのではないかと、梅雨時期の天気以上に心配であったのだが、なんとか観戦することができて何よりである。我々の普段の行いが良いからに違いない。





世界野球ツアー今年度の2試合目は、ソウルから少し離れた大田(テジョン)での試合である。

大田へは、新幹線(KTX)でソウルから1時間程度。KTXの車内では、なぜか野球好プレー集のビデオが流れていたのだが、1位(週単位くらいかと思うが)が何と生で見たばかりのガルシアが強肩を見せ付けたライトゴロであった。

さて大田ではまずは地下鉄一本で行ける儒城温泉でくつろいでいたのだが、お湯につかっている間にものすごい雨となってしまった。しかし、我々の普段の行いが良いので、地下鉄で大田駅に戻る頃には雨もあがり晴れ間も出る天気になったため、大田駅からタクシーで10分程度の球場に向かうこととする。

試合はウリ対大田を本拠地とするハンファ・イーグルス。ユニフォームが「楽天」イーグルスであるチームと、名前がイーグルスであるチームの対戦である。ハンファの帽子は、色こそオレンジ色であるが、マークは楽天と似た「E」マークである。

大田の球場は、こじんまりとしており、内外野に15段くらいしか席がない。たぶん満員でも1万人程度しか収容できないであろう。また球場そのものの広さも両翼こそ100M足らずであるがセンターは114Mしかない。

そんな球場での試合のためか、両軍合わせて結局何本のホームランが飛び交ったかも忘れるくらいの花火大会のゲーム(たぶん7本か?)であったが、勝ったのはウリであった。それだけ花火が打ちあがったが、残念ながら我らのブランボー選手には一発がありませんでした。

ハンファでは、中継ぎとしてク・デソンが登板。彼はもともとここで活躍したあとにオリックスに入団、その後アメリカを経由して再度母国に戻ってきたのである。リリーフで彼の名が告げられると大歓声。それにたがわず相変わらずの反り返ったようなフォームでウリをそれなりに抑え込み、健在ぶりを見せ付けた。北京に出られたら、再度日本いや星野仙一を完膚無きまでにたたきのめしてほしいところである。

因みにこの両チームの抑えは、ウリは高津であるが、ハンファはハムで『暴走機関車』と一部で言われていたトーマスである。今日はウリの勝ちパターンなので、出てきたのは高津。一昔前の日本野球みたく、8回から登板してピシャリとはいかないまでも0点に抑えてセーブ。試合後はヒーローインタビュー(といってもインタビュアーはグランドに現れず、自分でマイクを持って通訳らしき人と並んで話をしている)を受けていた。因みに前日の試合をたまたまホテルのテレビで見ていたら、トーマスがいきなりヒットを打たれ、四球を出しながらも0点に抑えるという、らしさ満開の投球をしていた。150キロを超える球がコントロールなく投げつけられているのは、相変わらず。

試合後はウリのバスの出待ちを敢行するもブランボーは確認できず、その日のうちにソウルまで帰らねばならないので成果なく退散した。


【番外】

四日間のツアーのうち、二日間は生で野球を見ることはなかったのだが、生観戦以外の野球に関するネタを。

金曜日は夜焼き肉食べてホテルへ帰還。テレビでは、なんとこの日韓国で開催されている4試合すべてを見ることができた。その他夜中とか翌朝には、30分とか1時間のダイジェスト版も適宜放映。

また韓国野球以外では、イスンヨプの影響で讀賣戦(日テレ画像に声だけ韓国)や、米メジャーリーグではなぜかインディアンス対レイズという地味な試合を放映。


最終日は午前中時間があったので地下鉄でチャムシル球場へ。LGツインズに入団したペタジーニと夫人がうろうろしてるかとも思ったがさすがに試合開始までまだ数時間あるためおらず。グッズ屋も閉店。仕方なく帰ろうかと思ったが、駅入口近くにあるグッズ屋が開店準備をしている。ここはチャムシルを本拠としているLG、トゥサン以外の球団のグッズやその他野球用具を売っている店のようだ。店員から、日本人か?などと聞かれたのち、入店を許される。日本人で買いにくる客がいるのか?

店の中は、ウリ以外の各チームのユニフォームや帽子が売られていた。中には昨年限りで終了してしまった現代ユニコーンズのものもあったので、思わずユニコーンズのキーホルダーとタオルを購入。ユニフォームも危うく買いそうになったが着る場面がないので断念いたしました(笑)。

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