A 05.8.14(日)(ロングアイランド戦(独立リーグ)観戦) 〜ダグ・ジェニングス選手応援〜
ついにDJことダグ・ジェニングス選手に会う日がやってきた。





意外性とはまったときの爆発力のある打撃で95,96年の青波優勝に貢献したDJは、97年に日本を去ってからも、マイナーリーグや独立リーグでプレーを続けていた。2000年に3Aのオマハでプレーをしていたときに一度応援に行ったことがあるが、ここ数年はニューヨーク近郊の独立リーグ「アトランティックリーグ」の「ロングアイランド・ダックス」でプレーしており、昨年は不動の3番打者として優勝に貢献したところである。し彼も40歳となり、今年はチームを外れフロリダで野球スクールをしていたところ、7月に突然ダックスに打撃コーチ兼選手として呼び戻されたのである。しかし、復帰戦で死球を受け、しばらくはコーチ専任状態となっていた。我々が現地に行ったのは、死球を受けてから1ヶ月くらいたっており、もうそろそろ選手に復帰する時期でもあった。


 前日にアメリカに上陸した我々は、バーガーキングで夕食をとりながら、明日は入り待ちをするために8時に起きようというような話をしていたが、興奮のためなのか単なる時差ボケのためなのか分からないが殆ど眠れず。結局冗談で言っていた通り8時に宿を出発し、ロングアイランドに車を進める。


ロングアイランドダックスの球場「シティバンク・パーク」には10時前に到着。まずはチケット売り場で予約していたチケットを受け取る。2人ではあるが、一塁側殆ど右翼よりの最前列2枚と、一塁コーチとして出場が予想されるDJに最も近い一塁側の席が1枚の合計3枚である。開門時間を聞くと試合開始1時間前の12時35分だという。また、グッズショップがあり外から覗くと、「Jennings7」というTシャツを発見。これはぜひ買わないとと思ったが、ショップも開門まで開けそうになさそうだ。選手やDJも来そうもないので、とりあえず退散し、近くで時間をつぶすこととする。しかし当然のことながら時間を持て余し、1時間くらいで再度球場へ。


 今日はとても暑く、ある意味絶好のデーゲーム日よりである。お客さんも、開門前であるにもかかわらずぞくぞくと集まってくる。2枚並びのチケットが一塁側の右翼よりしかとれなかったことでも分かるが、6000人程度とはいえ、ロングアイランド・ダックスはほぼ毎日満員の客を集める人気チームであるのだ。我々もさっそく開門を待つ列に並ぶこととする。


 すると、ある夫婦が我々のところに寄って来る。彼らは私が旅行前に偶然見つけたDJ応援サイトを作っている、Alfieri夫妻である。何度かメールをやりとりし、その中で7月に配られたDJのボブルヘッズ人形が欲しいという話をしていたところ、我々の分までもらっておいてくれたのである。それだけで十分であるが、彼らは年間指定席のチケットまで用意してくれていたのである。お礼として、96年青波優勝記念本を手渡す。DJが載っているからであるが、イチローが載っているので非常に説明し易い。あとDJとイチローの日本のカードと、「彼らは来年メジャーに来ますから」と大嘘をついて佐竹(楽天)と飯山(ハム)のカードも手渡す。


 開門後、まずはグッズを買いあさろうとショップに向かい、さっそく狙っていたJennings7のTシャツ、その他諸々を購入。球場内にもJenningsシャツを着ているファンもおり、彼の人気の高さを実感する。


席に戻ろうとすると、Alfieri氏がバックネット裏で我々を呼んでいる。そこに向かってしばらく話をしていると、どうやらグランド内で選手たちとの交流?があるようで、我々もグランドに降りて一塁側ベンチに向かう。彼らに連れられて向かったところに、DJは立っていた!


 あまりにも突然の出来事で何をしゃべったらよいか分からず、サインをいただいたり、写真を撮らせていただいたり、こちらから持参したビデオテープ(96.9.24ハム戦=DJ同点ホームランの後サヨナラ勝ちでリーグ優勝)を渡したりしたが、実際何をしゃべったか全く思い出せない。それだけ興奮状態である。もし話せたら聞きたいことも考えていないわけではなかったが、そうこうしている間に人気選手のDJには後ろに列ができていたので、退散することとする。
 因みにこのイベント、ベンチの中に選手(恐らく首脳陣も)がズラリと並び、サインをもらったり写真を撮ったりすることができる。独立リーグならではのファミリーなイベントである。


 試合開始。怪我が治らず、惜しくもDJは一塁コーチとしての出場である。しかしそれはもうどうでも良かった。一塁ベース寄りの席から彼の写真を撮ろうと、声をかけると満面の笑みで応えてくれた。最高だ。
 試合のほうは9回表に抑えが崩れ同点ツーランと四球暴投もあって1点勝ち越される。スコアはあのときと同じ5対6。ツーアウトでDJがコーチズボックスから打席に向かい代打同点ホームランでも打てばグラウンド乱入ものの大騒ぎであるが、たくましいダックスの選手たちは、打撃コーチの助けを借りることなく同点ホームランのあと逆転サヨナラ勝ちというすばらしい結末を作った。


このころは暑さもあってAlfieri氏の所有する二階の年間指定席で観戦していたのだが、サヨナラ勝ちの歓喜のあと、ベンチ前でDJが我々を呼んでいるようなそぶりを見せている。慌てて一階に下りるが既にDJの姿なし。しかしAlfieri氏が通用門付近で我々を呼ぶので行ってみると、そこにDJがいた。彼は、まず今日の試合のボールにサインをして私にくれた。その後は少し会話をすることができた。曰く「オマリーが監督なら、コーチとして日本に行くかもしれない」「今年の冬にキャンプ時にマリナーズのイチローと長谷川と会って一緒に写真を撮った」「明日(8月15日)から復帰する」などなど。またかつていた青波が近鉄と統合されたり、東北楽天ゴールデンイーグルスという球団ができたことも既に知っていた。


 最後に礼を言ってDJと別れた。実に夢のような時間であった。
 球場の外でAlfieri夫妻とも別れた。初めて会う我々にここまでしてくれるとは、本当に感謝してもしきれない。またDJとAlfieri夫妻に会うために、ロングアイランドに来てみたいところである。



このツアー他の日はこちら
「阪急電車で早よ帰れ!!」に戻る